Tortilla de patata – スペインオムレツのレシピで「好みの焼き加減に仕上げる」と書いた。かなり適当に。でも仕方がない。なぜならトルティージャの本場スペインでさえ、その「加減」は千差万別だからだ。
まずはこのサイトでレシピ&動画の使用を快諾してくれた el cocinero FIEL の好みを見てみよう:
Los madrileños fríen vuelta y vuelta. A mí me gusta más hecha, y a Sonia mucho más. Con lo cual al final la dejo bastante, bastente hecha.
– マドリッドの人は両面サッと焼くだけ。僕はもっと火を通したのが好みで、ソニアはさらに焼いたのが好き。それで結局しっかり、かなりしっかり焼くことになるんだ。(動画 3’20-3’32)
また、私にとってのスペイン語バイブル、スペイン版ちびまる子ちゃん的小説 Manolito Gafotas にもトルティージャの焼き加減が表現されている:
Aquel sábado histórico, el Real Madrid jugaba un partido contra el Barcelona, así que mi madre hizo dos tortillas: una poco cuajada para mi abuelo y mi padre, que les gusta encontrarse el huevo tipo moco, y otra para el Imbécil y para mí, que nos gusta que quede más seca que una pasa. (POBRE MANOLITO – Elvira Lindo)
– あの歴史的土曜日、レアル・マドリッドはバルセロナと対戦。だからぼくのお母さんはトルティージャをふたつ作ってくれた:鼻水タイプの卵が好きなおじいちゃんとお父さん用にほとんど固まってないのをひとつ、干しブドウよりもパサパサなのが好きな(弟の)インベシルとぼく用にもうひとつ。
この一節を読んで以来、私はゆるゆるのトルティージャに出合うと、鼻水にしか見なくなってしまった。かといってパッサパサなのもいただけない。特にバゲットに具をはさむ Bocadillo ボカディージョにパッサパサのトルティージャでは、口の中の水分を全部持っていかれる。
では、おいしいトルティージャの「加減」はどこにあるのか。
卵かけご飯を思い浮かべてほしい。団体旅行の朝食、すでに冷えた白米に、冷蔵庫から出てきたばかりのような卵をかけた時の、残念な感じを。白身のかたまりがどろりと喉を通るあの不快感、まさに鼻水タイプ。
そう、おいしいトルティージャを作るポイントも、まさに同じなのだ。
揚げたてのジャガイモとタマネギをすぐに卵に加え、つぶしながら均一に混ぜる。ここでほどよく卵が煮えるためには、卵が多すぎでも温度が低すぎてもいけない。おいしそうな卵かけご飯のようなトルティージャの生地ができれば、あとはフライパンに流し込むだけだ。
焼き加減はお好みで。
“Tortilla – トルティージャの焼き加減は何がベストなのか問題” への1件のフィードバック
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