うちには電子レンジがない。でも、デロンギのオーブンがある。
キッチン周りフル装備の家に引っ越す友人からもらったのだ。
電子レンジはなくてもなんとかなるが、オーブンはないと作れない料理が存在する。だから、電子レンジかオーブンか、という友人からのオファーに、私は迷うことなくオーブンを選んだ。
とはいえ、オーブンがないと作れない料理を積極的に欲する機会は少なく、長いこと冷蔵庫の上に鎮座したままになっていた。
そんな時、ホームステイ先の Pilar ピラールがよく作ってくれた Bizcocho de yogur – ヨーグルトのビスコッチョを思い出した。
思い出すと、どうしても食べたくなる。
早速ピラールにメールでレシピを問い合わせてみる。返信を待ちきれず、自分でもネットで調べることにした。
すると。
出るわ出るわ。
ヨーグルトの容器を使って作るビスコッチョの紹介ページが山ほど現れた。
読んでみると
fácil de hacer 作るのカンタン
nunca falla 絶対失敗しない
sencillo シンプルな
clásico 昔ながらの
tradicional 伝統的な
casoro ホームメイドの
といったキーワードがあちこちに見受けられる。
基本的なレシピはどれも同じ。
ピラールのオリジナルだと思っていたあのビスコッチョは秘伝でもなんでもなく、スペイン全土が知る超定番のレシピからなるものだったのだ。
でも、なぜこのレシピがこんなにもスペイン国内に広まったのだろう。
まずはピラールに聞いてみた。
スペイン人の友人にも聞いてみた。
けれど、何がきっかけでこのビスコッチョを作るようになったのか、はっきりとは覚えていなかった。
ここはやはり、ネット検索。スペインの Google 先生に登場いただいた。情報をまとめると、ビスコッチョが家庭で作られるようになった背景には以下が考えられる。
・ 学校の授業で習った
・ 学校の遠足で、農場を訪れた時に習った
・ おばあちゃん、お母さんから習った
そして何よりも有力なのが
・ ダノンのヨーグルトにレシピ本が付いていた
というものだ。ダノンヨーグルトを使ったレシピ掲載の小冊子を販促品として配布、その中の一つがこのビスコッチョのレシピだったらしい。
そうか、そうだったのか…
と、簡単には納得できない。他にもヨーグルトレシピが数ある中で、なぜこのビスコッチョだけが圧倒的な支持を得て、幅広い年齢層、家庭に広まったのだろう。
ダノンについて、もうちょいリサーチしてみよう。